『日本美術館』小学館

THE ART MUSEUM OF JAPAN［全一巻］

第9章　現代　Modern Age

❝プロレタリア美術展は、東京府美術館や上野の日本美術協会（上野自治会館）で開催された。1930年の第3回展で頂点をきわめたが、以降は開催日数、動員数などの点でも退潮が明白となった。左下に「ていし」と読むキリアル文字によるサインがある。❞（本書1013ページ,寺島貞志 プロレタリア美術大展覧会ポスターより引用）

寺島貞志《プロレタリア美術大展覧会 ポスター》1013ページに掲載

寺島貞志《第4回プロレタリア美術大展覧会 》ポスター 1931(昭和6)年

◇◇◇

寺島は1923年から写真画集『白楊』の表紙やカットを多数担当し、画家より先にグラフィック・デザイナーとして活動を始めた。1931年には、アートディレクター・太田英茂のもとで広告やパッケージデザインも手がけ、太田はその才能を高く評価している。「プロレタリア美術大展覧会」では、第4回と第5回のポスターデザインを担当。